紫根染しこんぞめ

Murasaki dye

和名ムラサキ(紫草)
別名紫根 紫 日本ムラサキ
英名Murasaki
学名Lithospermum erythrorhizon
科名属名ムラサキ科ムラサキ属
分布日本全土 中国 朝鮮半島 アムール
品種ムラサキ(軟紫根)セイヨウムラサキ(硬紫根 Lithospermum officinale L. )イヌムラサキ(Lithospermum arvense)
特徴多年草 花/白色
染色部位根(表面部に色素を生成)
染色時期10~11月頃/葉が黄色くなった後

ムラサキの特徴

紫根染め 紫 MURASAKI
紫根染め 紫 MURASAKI
7月上旬撮影。白い花を咲かせる。
ムラサキは6~7月に白い花を咲かせる多年草で10~11月頃に採取し、天日干しをした根を紫根と呼びます。
紫の主な色素である「シコニン」は紫色をしており、このシコニンを使って紫を染色します。
さらにシコニンには殺菌作用もあることから、ケガや病などの民間療法などにも用いられてきました。現在でもやけどなどの治療薬として、紫雲膏(しうんこう)という紫から抽出した塗り薬が販売されています。

紫根染め(紫染め)について

ムラサキは6~7月に白い花を咲かせる多年草で10~11月頃に採取し、天日干しをした根を紫根と呼ぶ。日本ムラサキ(軟紫根)やセイヨウムラサキ(硬紫根)、イヌムラサキなどの品種があります。このムラサキの根から取れる染料は藍や紅花と並ぶ、日本三大色素の一つです。〔冠位十二階〕でも紫根で染めた濃紫(こむらさき)や淡紫(あわむらさき)を最高位の色に定めるほど、古来より貴重な染料として重宝されてきました。古くは飛鳥、奈良、平安時代では天皇、公家にしか赦されない禁色(きんじき)として、鎌倉時代には身分の高い武士の身に着ける甲冑の紫縅(むらさきおどし)に、江戸時代には本紫や京紫、江戸紫の色は庶民には手の届かない高価で憧れの色として染められてきました。

草木染め方法

アルコール抽出法

紫根を水に一時間ほどつけ置きし布で濾した後、紫根と同量のアルコール(エタノールやメタノールなどを使用)に1日ほど浸す。1日したら布でよく濾してさらにアルコールにつけておく。2~3回は色を抽出することができる。抽出した染料液は揮発するので、密閉できる容器で保管する。
抽出した液は、媒染法にて染色する。
紫の色素であるシコニンは高温になるとグレーに変色することがあるので、60度以下の湯で染める。

紫根染めの媒染による色の違い

本紫ほんむらさき
/ アルミ媒染(Al)
C36,M86,Y00,K23
R125,G086,B196
浅紫あさむらさき
/ アルミ媒染(Al)酸
C06,M29,Y00,K32
R162,G123,B173
濃紫こきむらさき
/ アルミ媒染(Al)灰汁
C24,M46,Y00,K64
R070,G050,B92
青紫あおむらさき
/ アルミ媒染(Al)灰汁
C14,M25,Y00,K43
R124,G109,B145
江戸紫えどむらさき
/ アルミ媒染(Al)灰汁
C18,M28,Y00,K49
R106,G094,B130
京紫きょうむらさき
/ アルミ媒染(Al)酸
C07,M36,Y00,K43
R135,G093,B145

草木染めの色辞典

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