コチニール染こちにーるぞめ

Cochineal dye

和名コチニール
別名臙脂虫 コチニールカイガラムシ
英名Cochineal
学名Dactylopius coccus Costa
科名属名カメムシ目/コチニールカイガラムシ科/コチニールカイガラムシ属
分布中米 メキシコ ペルー
品種
特徴ウチワサボテン属のサボテンに寄生するカイガラムシの一種。雌は無翅で体長は約2㎜程。雄は有翅。
染色部位虫体
染色時期通年

コチニールの特徴

コチニールとは主にメキシコなどの南米地区で採取されるオウギサボテンにつくカイガラムシの一種で、別名臙脂虫ともいい、臙脂色の色名の由来となっています。かつて日本でも栽培(養殖)を試みましたが実用に至らなかった過去があります。現在でもメキシコやチリなどの南米から輸入し染めています。
アルミニウム塩によりレーキ化したコチニールからコチニールレーキという赤色顔料が作られ、クリムゾンレッド、カーマイン、臙脂という色として使われてきました。



コチニール染めについて

コチニールからとれる色素のアントラキノン系のカルミン酸を用いて染色します。
カルミン酸はpHにより色合いが変化する特徴があり、酸性で赤系、アルカリ性で青系の色合いに変化します。

コチニール染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋にコチニールと水を入れ煮煎する。
60分ほどしたら布で濾しさらに3~4回程煎液を抽出する。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し染め上げていく。

コチニール染めの媒染による色の違い

臙脂色えんじいろ
コチニール / アルミ染(Al)
C00,M65,Y54,K39
R156,G054,B071
撫子色なでしこいろ
コチニール /アルミ染(Al)
C00,M06,Y44,K58
R102,G108,B061
紫香色しこういろ
コチニール / 鉄媒染(Fe)
C00,M28,Y10,K53
R120,G086,B108
古代紫こだいむらさき
コチニール / 鉄媒染(Fe)
C00,M31,Y13,K65
R089,G061,B077
カーマインかーまいん
コチニール / アルミ染(Al)レーキ化
C00,M100,Y73,K16
R215,G000,B058
クリムゾンくりむぞん
コチニール / アルミ染(Al)レーキ化
C00,M91,Y73,K14
R220,G020,B060

草木染めの色辞典

arrow