ログウッド染ろぐうっどぞめ

Logwood dye

和名ログウッド(魯格鳥特)
別名アカミノキ カムペシア木 ブラッドウッド
英名Logwood , Campeachy Tree , Campeachy Wood , Campeche Wood , Bloodwood Tree , Black Wood ,
学名Haematoxylum campechianum , Haematoxylum brasiletto(Mexican logwood,)
科名属名マメ科ジャケツイバラ亜科アカミノキ属
分布メキシコ 中米北部などの亜熱帯地方
品種
特徴常緑小高木(3-10m) 葉/羽状複葉 花/黄色,総状花序
染色部位芯材
染色時期球果の採取:10-11月 染色:通年

ログウッド染めについて

ログウッド染めは、アメリカの先住民族マヤ族が伝統的に使用していた染料で、「血の木」とも呼ばれています。16世紀初頭にメキシコに上陸したイギリス人によって発見され、その後スペインがメキシコを占領し、ヨーロッパ各国に輸出されるようになりました。日本には明治中期に輸入され、黒染めに使用されるようになりました。大正時代には「京黒染め」としても使われ、ログウッドと鉄(ノアルナフトール)、重クロム酸カリを重ねて「三度黒」が開発され、現在でも染色に利用されています。近年では天然の髪染め剤としても使用されていますが、生産量は減少しており、手に入りづらくなっています。

色素について

ログウッドの幹材の芯には酸性染料のヘマトキシリン(Hematoxylin)が含まれています。この染料は酸化するとヘマテイン(Hematein)に変わり、液体は可視部に黄色みを帯びます。過剰に酸化するとオキシヘマテイン(Oxyhematein)となり、染色強度が低下します。そのため、煮煎じた染液は早めに使い切るか、密閉容器に保管します。また、水性アルカリ性では青色で溶けにくく、アルコール性酸性では赤色で溶けやすい性質があります。

医療研究に使われるヘマトキシリン

ヘマトキシリンは陶土類(アルミニウム)と結合して、青色に発色します。ヘマトキシリンは組織切片染色法で広く使用されており、エオシンと共にヘマトキシリン・エオシン染色として知られています。この染色法では主に細胞核を強く染色します。また、リンタングステン酸・ヘマトキシリン染色も一般的に使われています。

草木染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋にログウッドを入れ、水と煮煎する。
20分ほどしたら布で濾しさらに3~4回程煎液を抽出する。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し染め上げていく。

ログウッド染めの媒染による色の違い

紺桔梗こんききょう
芯材 / 銅媒染(Cu)
C57,M67,Y00,K66
R36,G28,B83
今紫いまむらさき
芯材 / アルミ媒染(Al)
C27,M67,Y00,K67
R16,G28,B84
小紫こむらさき
芯材 / アルミ媒染(Al)
C00,M97,Y30,K70
R76,G02,B53
三度黒さんどぐろ
芯材 / 鉄媒染(Fe)重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)
C50,M88,Y00,K90
R13,G03,B26

草木染めの色辞典

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