桑染くわぞめ

Mulberry dye

和名クワ(桑)
別名山桑(ヤマグワ) 縞桑(しまぐわ)
英名Mulberry
学名Morus bombycis
科名属名クワ科クワ属
分布北海道~九州 南樺太 朝鮮 中国 ベトナム ビルマ ヒマラヤ
品種山桑(Morus australis)真桑(Morus alba)ログワ(Morus latifolia Poir)など 多品種
特徴落葉高木 葉/薄い,黄緑色,縁に鋸歯,切葉もしくは丸葉 果実/細長いキイチゴに似ている 赤→赤黒 雌雄異株のものと同株のものがある
染色部位幹 葉
染色時期球果の採取:6月 葉茎の採取:春・秋 染色:通年

クワの特徴

山地に自生し、落葉高木で温帯から亜熱帯にかけて広く分布している。養蚕用に奈良時代に中国から伝わり養蚕のために日本全土で栽培されている。
桑の葉には亜鉛やカルシウムなどのミネラルが多く含まれており、食物繊維が多い。5月~6月にキイチゴに似た実を付け、熟すと黒紫色になり生でも食べることができる。
味は甘酸っぱく美味で、ジャムなどに加工して利用することもできる。

桑染めについて

草木染め方法

幹材を用いた染色

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に細かく刻んだ桑の幹材と水をいれ煮煎する。60分ほどしたら布で濾しさらに3~4回程煎液を抽出する。植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し染め上げていく。

桑の実を用いた染色

<抽出>
煮煎抽出か酸性抽出により染まる色合いが異なる。果実に含まれる主な色素はアントシアニンであり、熱に弱く煮煎じて抽出すると青黒い色に変色する。
煮煎じる時間は沸騰後10分以内に留め、速やかに染色する。赤みのある色に染色する場合は酸性抽出をする。抽出には穀物酢やクエン酸などを見ずに薄め、常温で良く揉んで色をとりだす。ミキサーなどを使ってもよい。
<染色>
無媒染もしくは媒染法を用いて染色する。
染色時は常温~60度の染液で染める。
染めあがった色は光に弱く、アルカリによっても色が変色してしまう。

桑染めの媒染による色の違い

枇杷色びわいろ
幹材 / アルミ媒染(Al)
C00,M18,Y76,K03
R247,G203,B59
淡黄色たんこうしょく
幹材 / アルミ媒染(Al)
C00,M13,Y57,K58
R245,G212,B105
利休白茶りきゅうはくちゃ
幹材 / 鉄媒染(Fe)
C06,M08,Y26,K18
R197,G193,B155
桑茶色くわちゃいろ
幹材 / 鉄媒染(Fe)
C00,M10,Y52,K53
R120,G108,B58
舛花色ますはないろ
果実 / アルミ媒染(Al)
C26,M14,Y03,K39
R116,G134,B151
鳩羽鼠はとばねずく
果実 / 無媒染
C05,M12,Y03,K39
R148,G137,B151

草木染めの色辞典

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