檳榔子染びんろうじぞめ

Betelnut dye

和名ビンロウ(檳榔)
別名ビンラン 染料名:檳榔子(びんろうじ)槟榔子
英名植物:Betel palm 染料:Betel nuts
学名Areca catechu L.
科名属名ヤシ科ビンロウ属
分布アジア 東アフリカ
品種ビンロウ(Areca catechu L.)
特徴高木 葉/大型羽状葉 花/雌雄同株 
染色部位種子(檳榔子/びんろうじ)
染色時期種子の収穫:夏~秋 染色:通年(乾燥種子)

ビンロウの特徴

ビンロウ(檳榔)(Areca catechu L.)はマレーシア原産で東アジアおよび東アフリカの一部で生育されており、日本への渡来は天平勝宝8年(756)の輸入された。種子はビンロウジ(檳榔子)と呼ばれ、アジアでは嗜好品として、噛みタバコに似た使われ方をされる。薬用としては駆虫や胃腸機能改善に用いられた。染色にも種子を用いて赤みを帯びたベージュや灰色、黒を染める。
檳榔子染 びんろうじぞめ
ビンロウ(檳榔)(Areca catechu L.)。ヤシ科の植物で、高さは大きいもので30mにもなる。
檳榔子染 びんろうじぞめ
檳榔子染 びんろうじぞめ
種子は檳榔子(びんろうじ)と呼ばれ、アジアでは嗜好品として、噛みタバコに似た使われ方をされる。

檳榔子染について

日本では檳榔子染(びんろうじぞめ)は奈良時代より染められてきた。檳榔子の実を染料にして染め、灰桜色から赤褐色、黒を染める。黒色は別名〔檳榔子黒〕と呼ばれ、赤みを帯びた黒色が特徴で、紋付黒染の中で最高級とされた色である。

檳榔子染の色素

種子にはニコチンに似た高揚成分の「アルカロイド」やタンニンの一種である「ポリフェノール」が含まれる。噛みタバコでは少量の石灰と一緒に噛むことで唾液が赤くなるのだが、これは「ポリフェノール」がアルカリや酵素により反応し赤く変化しているからだと推察される。酸性下では赤みは減少し、鉄媒染をすることで黒く発色する。

草木染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に檳榔子を細かくしたチップと水、火にかけて沸騰させ煮煎する。40分ほどしたら布で濾し、できた煎液を染色原液として使用する。3回程煎液を抽出できる。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていく。アルミ媒染で灰桜色から赤褐色、鉄媒染で赤灰色や檳榔子黒が染められる。

檳榔子染の媒染による色の違い

桜鼠さくらねず
種子 / アルミ媒染(Al)
C00,M25,Y24,K16
R215,G162,B164
PANTONE 15-1611 TPX
檳榔子黒びんろうじぐろ
芯材 / 鉄媒染(Fe)
C00,M46,Y36,K36
R162,G087,B104

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