茜染あかねぞめ
Madder dye

茜の特徴
その名前の通り、根が赤い事から〔あかね〕と名が付きました。この根は、浄血、解毒、強壮の作用があるとされ、更には、日本で最も古くから使われた赤系の染料で、日の丸の赤はこの染料で染められています。
ヨツバアカネ(Rubia cordifolia)。日本茜やインド茜などの品種がある。
ムツバアカネ(Caesalpinia echinata)。西洋茜ともよばれる。ヨツバアカネに比べ黄色味が多い。
茜染めについて
茜染めの色素
茜の根に含まれる紅色色素前駆体の〔アリザリン〕は無色だが、酸化すると赤色のキノメタン型の〔ブラジレイン C16H12O5〕に変化する。より酸化が進むほど赤が濃くなるとされ、日光の下で染色をするとより濃く染まる。これは光酸化と脱水素酸化の相乗効果で、酸化がより進むためである。酸性にすると赤味がかった色合い、アルカリ性で青みがかった色合いになる。残念ながら蘇芳で染められた色は退光堅牢度は低く、色褪せしやすい色として古くから認識されている。
草木染め方法
媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に乾燥した根と水をいれ火にかけて沸騰させ煮煎する。60分ほどしたら布で濾し、できた煎液を染色原液として使用する。4回程煎液を抽出できる。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていく。アルミ媒染でオレンジから赤、銅媒染で茶色、鉄媒染で紫味がかった灰色になる。
また、抽出回数によって色の発色も異なり、回数を重ねるにつれ赤みが増す。灰汁を少量入れることで成分のカリウムと反応しさらに赤みが増す。
茜染めの媒染による色の違い
乾燥根 / アルミ媒染(Al)
C,M,Y,K
R,G,B
乾燥根 / アルミ媒染(Al)
C,M,Y,K
R,G,B
乾燥根 / 銅媒染(Cu)
C,M,Y,K
R,G,B
乾燥根 / 鉄媒染(Fe)
C,M,Y,K
R,G,B
草木染めの色辞典
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No.5
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