草木染めの方法【豆汁処理】 How to natural dye -soy milk-

モノつくりのこと
2021.7.30

草木染の方法 豆汁処理

続々投稿しています。
今回はワークショップでもお問い合わせの多い「豆汁(ごじる)を使った濃染処理」の方法についてご紹介いたします。なかなか濃い色に染まらないとお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

豆汁(ごじる)とは

豆汁の歴史

大豆を水に戻し、濾した液のことを「豆汁(ごじる)」といいます。
豆汁は草木染めにはとても大事な材料で、豆汁を使った下染め方法は日本では古くより行われてきました。
豆汁には植物性タンパク質が多く含まれるため、色の定着、色のコーティング、色のにじみ止め、糊材の保護などの目的に使われます。
例えば琉球紅型では顔料の染着のために豆汁と顔料をよく混ぜて生地にすり込んだり、藍染めの黒染めなどの下染めにも使われます。
日本画では「膠(にかわ)」という動物性タンパク質(コラーゲン)をよく使われますが、この「豆汁(ごじる)」もにじみ止めや色のコーティングを目的として使われます。どちらもタンパク質なので目的は同じになります。

豆汁を使うとなぜ濃く染まるのか

タンパク質は分解されるとペプチドやアミノ酸になりますが、いずれもカチオン(陽イオン)になります。
草木染めに使う植物の中の天然色素はアニオン(陰イオン)である場合が多く、お互いが引き寄せあう力が働く結果、色が濃く染まります。
簡単に言うとタンパク質は草木染めの色素を引き寄せる性質があるという事です。

豆汁処理に向いている素材

綿や麻などの植物繊維でできた生地や糸が向いています。シルクやウールなどの動物繊維はタンパク質でできていますので豆汁処理をしなくても十分に濃く染められます。

用意するもの

染めに入る前に材料や道具の準備をします。

豆汁処理

染める素材

濃く染めたい糸や生地など
(今回は刺子糸120g。動物繊維は必要ありません。)

材料

大豆
(今回は36g。生地の重さに対して30%必要)

道具

キッチンスケール ミキサー ボウルやバケツ こし布 ぬるま湯(50℃)

豆汁処理の方法

乾燥大豆を用いた豆汁処理の一連の流れになります。
丸ごと大豆飲料などでも代用できます。(④の工程から)

① 生地と大豆を測る

生地を測り、生地の重さ×30%(0.3)の大豆を用意します。
※生地の重さ120g×30%(0.3)=大豆36g

soy milk

濃染処理

大豆 豆汁処理

② 大豆を水に戻す

計量した大豆を容器に入れ、そこに水を加えます。

タンパク質

ラップや蓋をしてそのまま冷蔵庫に入れ半日以上置いておきます。

natural dye

2~3倍ほどに膨れたらOKです。重さは約4倍になると思います。

濃染処理

豆汁処理

③ 大豆をミキサーにかけて豆汁液を作る

半日以上水につけて戻した大豆をミキサーに入れ、ぬるま湯(50℃)を乾燥大豆の20倍ほどの量(今回は乾燥大豆36g×20倍=ぬるま湯720cc)を加えてよくミキサーにかけます。

豆汁処理

大豆 下処理

ミキサー 豆汁処理

30~60秒ほどミキサーにかけたら、こし布をかけたボウルに流し入れよく絞ります。
こし布の中に搾りかすが出ますが今回は使いません。これは「生のおから」になるので食べることができます。

豆汁処理

豆汁処理

豆汁液ができました。

豆汁処理

④ 豆汁処理

生地を豆汁液へ入れます。

大豆 豆汁処理 濃染処理

生地全体に豆汁液が浸透するように2~3分ほどよくもみ込みます。

大豆 豆汁処理 濃染処理

大豆 豆汁処理 濃染処理

もみ終えたらよく絞って干します。

大豆 豆汁処理 濃染処理

大豆 豆汁処理 濃染処理

余った豆汁液はラップをして冷蔵庫で保管します。

大豆 豆汁処理 濃染処理

(丸ごと大豆飲料100ccに対して、ぬるま湯900ccを足した液でも代用できます。)

⑤ ④を1~2回繰り返す

ムラ防止のために④の工程を1~2回繰り返します。再度余った豆汁液を使う際は電子レンジで温めてから使用します。

大豆 豆汁処理 濃染処理

⑥ 完成

大豆 豆汁処理 濃染処理

これで濃く染まるようになりました。少し生地に張りが出ているかと思いますが、染めるとまた柔らかくなりますのでご安心ください。
処理をした生地等はよく乾燥させた後、ジップロックなどの袋に入れて高温多湿を避けて保管することができます。
できれば半年以内には染めてください。

最後に

困ったらまずは豆汁で下染めをするというくらい、豆汁は草木染めにとって万能な材料になります。五倍子や矢車附子を使った下処理に比べて、色合いに影響がないので安心して使えると思います。もちろん自然の素材なので人にも環境にも優しいのもいいですね。分厚い生地や、立体的なアイテムはムラなりやすいのでよく揉み込んで最低2回は豆汁処理するといいと思います。是非草木染めの参考にしてくださいませ。

また、直接教えてほしいという方はワークショップも月イチで開催しておりますのでぜひご応募お待ちしております。

Maito Design Works 小室真以人

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