水木染みずきぞめ

Giant dogwood dye

ミズキ_白バック
和名ミズキ(水木)
別名クルマミズキ 燈台木
英名Giant dogwood
学名Cornus controversa
科名属名ミズキ科ミズキ属
分布北海道~九州 台湾 朝鮮半島 中国 ヒマラヤ インドシナ
品種
特徴落葉高木 葉/対生,卵形または広卵形,全縁,裏面淡緑色で脈上に毛 花/4弁花,白色,散形花序 果実/球形,黒紫色,7〜8mm
染色部位枝葉 樹皮
染色時期9-10月

水木の特徴

ミズキは北海道から九州にかけて、さらに中国・朝鮮半島・ヒマラヤ・タイなどにも分布する落葉高木である。枝が四方へ放射状に伸びることから「車水木(クルマミズキ)」の別名をもち、また樹液を豊富に含み、枝を折ると水が滴ることからその名が付けられたといわれる。梅雨のころには枝先に大きく広がる花房をつけ、秋には暗紫色の果実を実らせる。心材は白く柔らかで、きめが細かいため、こけしや独楽などの材料として利用されている。
水木_枝
水木の枝。木質部は白く柔らかい

水木染めについて

葉や枝、樹皮を染色に用いることができる。
いずれもタンニンを豊富に含むため鉄媒染をすることで緑味のある灰色を染め、何度も染め重ねることで黒色を染めることができる。
水木_煮出し
枝葉を煮出すと黄茶色の染液がとれる

草木染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に水木の枝葉を細かくしたチップと水をいれ、火にかけて沸騰させ煮煎する。40分ほどしたら布で濾し、できた煎液を染色原液として使用する。3回程煎液を抽出できる。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていく。アルミ媒染で生成色から淡黄色、鉄媒染で海松色や紫黒色が染められる。

水木染めの媒染による色の違い

生成色きなりいろ
樹皮 / アルミ媒染(Al)
C00,M02,Y16,K02
R249,G243,B208
淡黄色たんこういろ
枝葉 / アルミ媒染(Al)
C00,M07,Y48,K05
R243,G225,B126
海松茶みるちゃ
枝葉 / 鉄媒染(Fe)
C00,M04,Y24,K53
R121,G116,B092
紫黒色しこくしょく
枝葉 / 鉄媒染(Fe)
C23,M100,Y00,K90
R020,G000,B026

草木染めの色辞典

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