柘榴染ざくろぞめ

Pomegranate dye

和名ザクロ(柘榴)
別名石榴 若榴
英名Pomegranate
学名Punica granatum
科名属名ミソハギ科/ザクロ属
分布本州以南
品種
特徴
染色部位果皮 石榴果皮(せきりゅうかひ) 葉
染色時期

元々パキスタンやイランに野生し、平安時代に日本にわたってきた植物。赤い実が多い事から、子孫繁栄、豊穣の象徴として大切にされてきました。漢方薬として、樹皮は痛み止め、根は虫下し、実は疲労回復薬に使われました。染色には果皮を使い、古来より黒染めの染料としてよく用いられました。ベージュや黄色、独特の青味がかかった緑色も染められます。
ザクロ 柘榴染 実
柘榴の果実は9~10月に収穫できる。染色には果皮を用いる。乾燥させたものを石榴果皮(せきりゅうかひ)と呼ぶ。
ザクロ 柘榴染 実
柘榴の葉でも染めることが出来る。アルミ媒染で黄色に発色する。
ザクロ 柘榴染 実
乾燥させた樹皮は石榴皮(せきりゅうひ)の名で漢方に用いられる。

柘榴染について

日本では飛鳥時代に中国から渡来し、平安時代には貴族に好まれたとても貴重な染料でした。平安時代中期に編纂された格式の〔延喜式〕に示されている様に、天皇が〔即位の礼〕にお召しになる絶対禁色の黄櫨染(こうろぜん)や、禁色の深蘇芳(ふかきすおう)や浅蘇芳(あさきすおう)を染めるのにも使用されてきました。江戸時代になると庶民の色として安価に、広く用いられ、茜や紅花の代わりの赤を染める色として使われるようなりました。また、鉄媒染で染める〔似せ紫〕は、当時高価だった紫根の〔古代紫、本紫〕に代わる紫色として流行しました。

柘榴染の色素

芯材に含まれる紅色色素前駆体の〔ブラジリン C16H14O5〕は無色だが、酸化すると赤色のキノメタン型の〔ブラジレイン C16H12O5〕に変化する。酸化が進むほど赤が濃くなるとされ、さらに日光の下で染色をするとより濃く染まる。これは光酸化と脱水素酸化の相乗効果で、酸化がより進むためである。酸性にすると赤味がかった色合い、アルカリ性で青みがかった色合いになる。残念ながら蘇芳で染められた色は退光堅牢度は低く、色褪せしやすい色として古くから認識されている。

草木染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に蘇芳の心材や小枝を細かくしたチップと水、少量の米酢いれ、火にかけて沸騰させ煮煎する。20分ほどしたら布で濾し、できた煎液を染色原液として使用する。3~4回程煎液を抽出できる。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていく。アルミ媒染で赤系の色、銅媒染で茶色、鉄媒染で似せ紫や黒茶色が染められる。

柘榴染の媒染による色の違い

深蘇芳ふかきすおう
芯材 / アルミ媒染(Al)
C00,M73,Y62,K58
R108,G029,B041
浅蘇芳あさきすおう
芯材 / アルミ媒染(Al)
C00,M46,Y36,K36
R162,G087,B104
蘇芳色すおういろ
芯材 / アルミ媒染(Al)
C26,M96,Y79,K00
R200,G040,B056
樺茶かばちゃ
芯材 / 銅媒染(Cu)
C00,M44,Y60,K43
R146,G082,B059
似せ紫にせむらさき
芯材 / 鉄媒染(Fe)
C70,M80,Y63,K32
R081,G055,B067
黄櫨染こうろぜん
櫨+蘇芳芯材 / アルミ媒染(Al)
C00,M50,Y75,K16
R214,G106,B053

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