五倍子染ふしぞめ

Sumac dye

和名フシ(五倍子)
別名染料:五倍子樹 勝つ木(かつのき) 耳附子(みみふし)植物:ヌルデ(白膠木)
英名染料:Japanese galls 植物:Chinese sumac
学名Rhus javanica L.
科名属名ウルシ科ウルシ属
分布東南アジア 東アジア各地 日本全国
品種ヌルデ
特徴落葉性小高木(5-6m) 葉/緑色,奇数羽状複葉 樹皮/灰褐色 果/球果,楕円状
染色部位虫癭(ちゅうえい,ヌルデシロアブラムシが寄生しできた虫こぶ) 葉
染色時期虫癭の採取:通年 葉:10月頃

ヌルデ、五倍子の特徴

ヌルデの木に出来た虫瘤を〔五倍子〕と呼び、染色、薬用に使います。咳止め、消炎、皮膚炎に良いとされ、平安時代には黒色を染め、お歯黒の原料にもなりました。この虫瘤を用いて藤鼠色、青灰色、紫鼠色などを染めています。


ヌルデ

五倍子染めについて

五倍子にはタンニン酸が豊富に含まれ、鉄と反応することで黒紫色を呈します。また、五倍子染めのアルミ媒染は淡く、生地の色の変化が少ないことから、濃染のための下染めとして使用されてきました。空五倍子色、藤鼠色、青灰色、紫鼠色など紫がかった鼠色や墨色を染めることができます。

草木染め方法

媒染法を用いて染色をする。
ステンレス製の鍋に五倍子をいれ煮煎する。
15分ほどしたら布で濾しさらに3~4回程煎液を抽出する。
タンニン酸が多く含まれるので、染着性が良く、植物繊維を染める際の豆汁などの下染めは必要ない。後媒染法による鉄媒染と染色を何度も繰り返すことでだんだんと黒に近づいていく。

五倍子染めの媒染による色の違い

暁鼠あかつきねずみ
虫癭 / 鉄媒染(Fe)
C04,M14,Y00,K31
R169,G151,B176
黒色くろいろ
虫癭 / 鉄媒染(Fe)
C07,M22,Y00,K79
R050,G042,B054
滅紫めつむらさき
虫癭 / 鉄媒染(Fe)
C00,M25,Y08,K65
R088,G066,B81
練色ねりいろ
虫癭 / アルミ媒染(Al)
C00,M06,Y17,K10
R230,G216,B190

草木染めの色辞典

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