紅花染べにばなぞめ

safflower dye

和名ベニバナ(紅花)
別名呉の藍(くれのあい) 末摘花(すえつむはな) カルタムス 紅花(こうか)
英名Safflower
学名Carthamus tinctorius
科名属名キク科ベニバナ属
分布海外:砂漠などの乾燥帯、中央アジア、アフリカ 日本:東日本(山形県最上地区、埼玉県など)
品種最上紅花(もがみべにばな、剣葉種) カルタムス 中国紅花 菜種紅花(菜種油用)
特徴一年草または冬型一年草 花/頭状花 葉/剣葉、丸葉
染色部位花弁
染色時期球果の採取:6月下旬~7月 染色:通年

その名前の通り、根が赤い事から〔あかね〕と名が付きました。この根は、浄血、解毒、強壮の作用があるとされ、更には、日本で最も古くから使われた赤系の染料で、日の丸の赤はこの染料で染められています。
ヤシャブシ 矢車附子 木肌

紅花染について

日本では飛鳥時代に中国から渡来し、平安時代には貴族に好まれたとても貴重な染料でした。平安時代中期に編纂された格式の〔延喜式〕に示されている様に、天皇が〔即位の礼〕にお召しになる絶対禁色の黄櫨染(こうろぜん)や、禁色の深蘇芳(ふかきすおう)や浅蘇芳(あさきすおう)を染めるのにも使用されてきました。江戸時代になると庶民の色として安価に、広く用いられ、茜や紅花の代わりの赤を染める色として使われるようなりました。また、鉄媒染で染める〔似せ紫〕は、当時高価だった紫根の〔古代紫、本紫〕に代わる紫色として流行しました。

紅花染の色素

茜の根に含まれる紅色色素前駆体の〔アリザリン〕は無色だが、酸化すると赤色のキノメタン型の〔ブラジレイン C16H12O5〕に変化する。より酸化が進むほど赤が濃くなるとされ、日光をの下で染色をするとより濃く染まる。これは光酸化と脱水素酸化の相乗効果で、酸化がより進むためである。酸性にすると赤味がかった色合い、アルカリ性で青みがかった色合いになる。残念ながら蘇芳で染められた色は退光堅牢度は低く、色褪せしやすい色として古くから認識されている。

草木染め方法

動物繊維と植物繊維では染色工程が異なります。
赤色色素のカルタミン(carthamin C43H42O22)は植物繊維や動物繊維への染着性が良く、サフラワーイエロー(C43H44O24)は動物繊維には染着性が良く、植物繊維(セルロース)には染着しにくい。
これらの色素の特性を利用し色を染め上げます。
ステンレス製の鍋に蘇芳の心材や小枝を細かくしたチップと水、少量の米酢いれ、火にかけて沸騰させ煮煎する。20分ほどしたら布で濾し、できた煎液を染色原液として使用する。3~4回程煎液を抽出できる。
植物繊維を染める際は豆汁などで下染めをする。先媒染法によるアルミ媒染の後に、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていく。アルミ媒染で赤系の色、銅媒染で茶色、鉄媒染で似せ紫や黒茶色が染められる。

紅花染の媒染による色の違い

薄香うすこう
乾燥球果 / アルミ媒染(Al)
C00,M12,Y39,K11
R228,G199,B138
薄茶色うすちゃいろ
乾燥球果 / 銅媒染(Cu)
C00,M36,Y68,K40
R152,G098,B048
杏子色あんずいろ
乾燥球果 / チタン媒染(Ti)
C00,M46,Y88,K20
R204,G111,B024
鈍色にびいろ
乾燥球果 / 鉄媒染(Fe)
C04,M00,Y05,K50
R123,G128,B122
黒褐色こっかっしょく
乾燥球果 / 鉄媒染(Fe)
C10,M00,Y10,K84
R038,G032,B048
水戸黒みとぐろ
藍染+乾燥球果 / 鉄媒染(Fe)
C100,M80,Y00,K94
R000,G003,B015

arrow